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Re:忘却の彼方

美しいから飛べるんです、飛行機は。

9.11

今日9月11日は、13年前、あの衝撃の同時多発テロが起きた日。

この間ニューヨークに行った時に、

WTCへ足を運んで、跡地のプール2つを見てきた。

私が行った9月3日も

とても天気が良くて気持ちのいい日だった。

13年前の9月11日は、私はまだ学生で19歳だった。

鮮明に記憶していて永遠に忘れることなどできない。

2001年9月11日(日本は9月12日)水曜日の夜10時過ぎ。

私は、お風呂上がりにTBSでタモリジャングルTVを見ていた。

ニュース速報で飛行機が墜落したことがわかって、

それから即臨時ニュースに切り替わった。

気づけば全チャンネルが、貿易センタービルに飛行機が衝突する映像を何度も流していた。

そのときはまだ1機目だけで、

もう1本のビルは建ったままだった。

最初はただの事故だと思った。

でもそれが、だんだん様子が違うことにみんな気づき始める。

情報が何度も訂正されて、

同じ映像が何度も繰り返される。

しばらくして、

今度は別の飛行機がもう一棟に突入して、

バラバラとビルが崩れていくのを私はただ黙って見ていた。

それから事故ではなく、テロの可能性が示唆されて、

他にも民間の航空機がハイジャックされていることが報道される。

一機はペンタゴンに墜落し、

もう一機は乗客がテロリストたちと闘ったとずっとあとになって知る。

確か次の日は休みか午後からの授業で

私はずっと朝まで繰り返される報道特別番組で

あの映像を見続けた。

この世で最も尊くて誰かが奪うことが許されないものを

簡単に奪われていく様子を私は黙って見ていた。

この間行ったときと同じ、

空だけは見事に青空で綺麗だった。

そこにまるで雪みたいにビルの残骸が舞って、

それをただ、ひたすら眺めている人々の絶望感が滲んだ顔が写真みたいに記憶に残っている。

それからすぐ新聞社勤めの父が即会社に呼び出されて、

私は翌日学校へいった。

それから3日くらいずっと報道特別番組で

ニューヨークマンハッタンの様子が延々と流れた。

ゴスペラーズの北山さんが

休暇かなんかでニューヨークにいて、

サイトの自分のコーナーで

ニューヨークの様子を動画でUPしていた。

そこにも不気味なほど美しい青空が写っていた。

淡々と過ぎていく日々は今までとなんら変わらないのに、

海の向こうの地で起きているのは、

まるで映画のようだった。

いつエンドロールが流れるのか、

今日なのか明日なのか、

永遠に終わらない映画がずっと続いているみたいだった。

思い返せばあの映像は、

多くの命が一瞬で失われる瞬間だった。

あれから何年経っても、私はこの日を忘れられない。

3.11の記憶も鮮明だけど、

それ以上に衝撃だった。

多くの消防士が救助に向かって命を落としたこと、

あの世界貿易センタービルには日本法人のニューヨーク支社が多く入っていて、

日本人も多く亡くなったこと、

テロに使われた民間機にも日本人が搭乗していたこと。

マンハッタンの消防士のドキュメンタリーを見て、

心がまるまる他人に握りつぶされているような感覚だった。

それを、

9月3日、WTCへ行ったとき鮮明に思い出した。

切なくて哀しかった。

プールに流れる水が静かで、

石碑に刻まれた名前に花が添えられているのを見て泣きそうになった。

犠牲者の家族の中には、

未だに遺体も見つからないまま

13年間、

あの時のまま時間が止まってしまった人もいる。

そしてこの出来事は、

世界を変え、

大勢の人を変えた。

多くの疑惑と共に未だに多くの人の心に闇を落としている。

あのひんやりとした空気と

プールへ落ちる水の音、

不気味なほど美しい青空は忘れない。

永遠に消えることのない深い傷が、

この先もずっと薄くならないことを私は知っている。